大阪の学童保育の保護者、指導員の団体です。「子どもたちにより豊かな放課後を」を合言葉に活動しています。

おおさかのがくどうほいく 大阪の学童保育保護者・指導員、そして専門家の集団です。「より豊かな放課後を」合い言葉に日々活動に励んでいます。

第34回大阪学童保育研究集会

基調報告

2002年6月23日

T、笑いあふれる学童保育 ともに生きよう ほっこり前向きに
 この4月から「ゆとりの教育」を全面に完全五日制が実施されました。「授業時間が減って子どもの学力が下がるのでないか」「平日の授業が詰め込みになってゆとりがなくなるのではないか」という不安の声がひろがっています。このような中で放課後の生活や土曜日の過ごし方が社会的にも注目されています。また、政府のアメリカの戦争や紛争に強制的に協力させられる有事法制などの動きに対して子どもたちの将来が平和で2度と戦争に巻き込まない運動がもとめられています。
 大阪学童保育研究集会は、大阪府と大阪府教育委員会から後援を受け、大阪府下各地で実施されている制度・施策などについて、学童保育の生活内容や父母の会の活動など交流、学習することを目的としています。合わせて今回の実行委員会では「働きながら子育てすることの苦労だけではなく喜びを確信できるような集会にしよう」という意見がたされました。年1回学童保育関係者が一同に集まる集会です。未来ある子どもたちの育ちについて多いに語り合い、そして子どもたちの健やかな成長発達を願う人たちと共同の輪をひろげ、学童保育運動のみならず地域の子育て運動にとひろげていく機会にしていきましょう。

U、学童保育の動き
 法制化以降学童保育は急増しています。2001年5月1日現在の学童保育数は全国1936市町村に11,830ヵ所あります。2000年から比べると854ヵ所と過去最高の増加です。しかし、小学校に対する設置率をみるとまだ5割以下で、遠くの別の校区から通ってこなければならない実態や学童保育が1ヵ所もないという市町村が4割近くもあります。昨年5月、小泉首相は所信表明演説で「必要な地域すべてに放課後児童の受け入れ体制を整備する」として厚労省は2004年度までに15000ヵ所の整備を目標にしています。しかしこれではあまりにも少ない、全国で4万ヵ所が必要であると朝日新聞でも報道されています。また昨年7月に閣議決定された「仕事と子育ての両立支援の方針について」では学童保育については「放課後児童クラブや地域のすべての児童に居場所づくりを確保する事業など受け入れ体制など大都市周辺部を中心に整備し、公的施設を活用するとともに」大阪でも昨年、最後の未設置地域であった岬町で公設公営の学童保育ができました。これで形態は様々ですが44の全ての市町村で学童保育が実施されたわけです。しかし大阪全体では設置率は78%(大阪の資料集第27集より)で、門真市や守口市など父母の要望の強い校区で学童保育が実施されず、全児童対策事業がひろがっているという状況があります。国は「全児童を対象とする事業に対する放課後児童健全育成事業の国庫補助の取り扱いの基本的な考え方」を打ち出し8項目の条件をクリアーできた場合、全児童であっても学童保育の国庫補助を支弁するものとし、大阪市の全児童対策事業「いきいき活動」が2000年度より国庫補助の対象となりました。また定員のある学童保育では待機児童の問題、大規模の学童保育では場所の問題も深刻です。
4月より実施されている学校完全五日制にもなう土曜日開設について大阪府下では16市町村で土曜日の開設はされていませんでしたが、新たに茨木市、寝屋川市、枚方市が父母・指導員・子どもたちの願いを無視して学童保育の土曜日閉室を強行しました。

U、あきらめないで、粘り強い運動を展開していこう
 茨木市の父母と指導員は「子どもたちを放置させるわけにはいかない」協力して4月より自主保育で土曜日の開設を行っています。茨木市は自主保育に対して施設の提供と補助金の支給を決めました。これはやはり、土曜開設求める大運動の成果です。2002年度は自主保育をやりきり土曜日開設の必要性を実践で明らかにしながら、引き続き市に対して働きかけていくことが求められます。また交野市でも土曜日を閉室しようとする市の意向に対し、父母と指導員が連盟で「土曜開設を求める要望書」を提出し、何度も教育委員会と協議をもちました。その結果、2校に1学童の開設、月1回は閉室、開設時間は朝から、指導員はアルバイトではなく正規(非常勤)指導員の配置となりました。いくつかの課題は残しましたが、開設時間や指導員配置は運動の成果です。2003年度にむけて引き続きの運動が求められます。施設問題では、河内長野は40名を超えた場合、複数学級となります。三日市学童では2000年度よりAクラスは学校の余裕教室、Bクラスは学校外で市役所出張所の窓口センター2階で、運動場もなく、専用のトイレもないというひどい状態でした。父母たちし黙っていては何も変わらないと署名運動や担当課との交渉をつづけた結果、2002年度より学校空き教室の利用が実現しました。

V、子どもたちの発達する権利が保障され、父母の働く権利が保障されるか学童保育を
  昨年4月、就任した小泉首相はその所信表明で「保育所の待機児童ゼロ作戦」と合わせて、「放課後児童の受け入れ体制の整備」を表明しました。その内容は学童保育は「放課後の居場所づくり」と称して、平成16年度には15000ヵ所とするとし、民間の活用を強調し、学童保育のみならず、全ての児童の居場所づくりとして全児童対策の推進を同時に打ち出しています。さらに指導員については、高齢者などの地域の人材を活用するという、学童保育指導員の専門性は認めず、地域ボランティアに依拠した考え方を示しています。
 このような国の考え方に対して私たちは、子どもたちが生活するのにふさわしい定員、合わせて複数学級の実現、施設の改善、開設時間、開設日数の拡充、指導員の配置基準の改善、指導員の増員、研修や養成機関の確立など父母の働く権利が保障され、学童保育の放課後の生活を通して子どもたちの発達が保障される学童保育独自の内容づくりと運動が緊急の課題です。

W、学童保育の独自性や固有性を社会的にアピールする映画づくり
 学童保育の映画化は、今日の不登校、学級崩壊、児童虐待など深刻な子どもたちの育ちをともに考え、地域の教育・子育て運動を広げ、地域から豊かな文化の創造に挑戦していくとりくみです。そして学童保育に預けて働く親たちに改めて学童保育の役割や運動の意義を客観的に見直す契機にしていくことです。
 学童保育の映画化製作上映運動を通して、学童保育の独自性や固有性、指導員の専門性を社会的にアピールし、権利としての学童保育の拡充を進めていきましょう。

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