第2章 2001年度 活動と運動のまとめ
1 国・大阪府・市町村に対する政策と要求運動
(1) 国にむけた運動
A保育と共同した全国署名
(2) 大阪府への運動
@ 大阪府交渉
A 署名運動・会派との懇談
B キャラバン
(3) 大阪市をはじめ各市町村への運動
@ 大阪市
A 五日制をめぐる土曜日開設の運動
B 各地域の運動
2 指導員の地位向上と社会的処遇の改善
@ 学童保育指導員専門性研究会
A学童保育実践研究会
B各講座
3 調査・学習活動
@ 第第33回大阪学童保育研究集会
A 第36回全国学童保育研究集会
B 資料集第27集
4 子育てを通して親も育つ父母の会活動
5 (財)大阪保育運動センター・第2期建設運動とひるぜん自然の家
@第2期建設運動
Aひるぜん自然の家
6 組織強化と事務局体制
@ 日本の学童保育誌
A 機関紙「大阪の学童保育」
B 会費改定
7 他団体との連携
|▲はじめに・目次|▲第1章|▼第3章|
1 国・大阪府・市町村に対する政策と要求運動
(1) 国にむけた運動
2002年度の政府予算編成に向けて、6月26日に厚生労働省と関係省庁、地方6団体、政党・国会議員に要請をしました。
厚生労働省(育成環境課)への要請では、
提言「仕事と子育ての両立支援策について」の問題で提出した緊急要望書の内容も合わせて私たちの願いを伝えました。
要請行動は、省庁再編で担当部署や担当者が新しくなっていたり、国会会期末で参議院選挙前のため議員本人と懇談できませんでした。
しかし、こうした毎年繰り返し行動している交渉や要請活動は僅かであっても予算に反映されています。二度にわたって施設整備費の補正予算が組まれ、大阪府下でも学童保育の増改築の改善に繋がりました。また、土曜日間設加算・指導員の健康診断のため予算が新しく計上されました。さらに、小規模学童保育(10人)の補助対象が過疎地域から外され、すべての市町村に広がりました。
一方、学童保育一ヵ所当たりの国庫補助はあまりにも低い予算額にもかかわらず単価増は改善されませんでした。自治体の学童保育施策を拡充させていくために一層の国への運動を強化していかなければなりません。
とりわけ、全国的な行動に重ねて二度にわたって大阪市間遠について厚生労働省と意見交換を持つことができたことは、大阪市の学童保育運動の方向性を検討していく上で大きな教訓を生み出しました。私たちが持ち込んだ具体的な資料と大阪市が報告している内容との違いが懇談の中で明らかになり、厚生労働省は繰り返し大阪市ヘヒヤリングを求めました。結果、大阪市は法に基づく放課後児童健全育成事業の内容を網羅する運営規定を改善せざるを得ませんでした。
A保育と共同した全国署名 2001・11・3/2002・2・25
保育・学童保育予算の大幅増額を求める署名提出をしました。全国から集まった代表は著名をもって各会派への紹介議員要請しながら情勢学習をしました。
紹介議員は社民党・民主党・共産党議員が引き受けてくれました。
全国で2.921,884人(2001・3・1現在)集まり、大阪はそのうち1,105.917人と大阪の運動の位置と教訓が鮮明になった全国署名運動でした。全国地域の運動を連動させ国・都道県・市町村の施策の拡充目指して、一層国民的合意を形成した取り組みを発展させなければなりません。
▲TOP
(2) 大阪府への運動
@ 大阪府交渉
交渉の中で私たちの要望を大阪府の予算編成に生かすためには、時期を早めることが必要であると担当課と確認された経過から、今年は例年より2ヶ月早い、6月9日に交渉をもちました。4月より児童福祉課に就任した岡田課長は「保育・学童保育については首相が表明する以前から大阪府としては、知事ともども環境整備していくスタンスである。しかし、現在策定中である「新行財政計画」はすべての事業について網がかかっている。大阪府が単独事業で実施する重要度を解明していかないといけない」と述べました。学童保育の法制化以降、私たちは大阪府に対して学童保育条例の制定、当面は実施要綱策定を要求してきましが、今回はこの要望について主に意見交換をしました。府は「児童福祉法では市町村の利用促進の義務を明記している。市町村の主体性を尊重するためにも府として基準をつくるのは適切ではない。」また「要綱をつくれば、それ以外のものは補助から外すことになる。今までのようにヒアリング等で府の考え方を伝えて行く方が得策である」という府の考え方を示しました。私たちは「基準があった方が市町村も事業がやりやすいのではないか」「大阪府が実施している学童保育事業を位置づけることを求めているので、そのことが決して切り捨てることにつながらない」と主張しました。毎年とりくんでいる保育4団体の大阪府署名でも学童保育の条例制定を求めていますが3年連続継続審査となっています。広域行政を担う大阪府の役割は大阪府下市町村の学童保育事業の水準を引き上げていくため、条例もしくは実施要綱を策定することは大阪府として必要です。今後も引き続き要望していくとともに、市町村からも大阪府として基準をもってもらうよう要望を大阪府にあげていく動きをつくっていくことが求められます。
▲TOP
A 署名運動・会派との懇談
大阪府は深刻な財政危機を理由に大阪府民に痛みを押し付け、大阪府の役割を徹底して絞りんだ「行財政計画」を発表しました。府下的には公立保育所の民営化が各地ですすんでいくという情勢の中で、今年も保育4団体が力を合わせ署名にとりくみました。署名項目、討議資料、門前ビラは、「なぜ民営化がだめなのか」「署名活動にどんな意義や成果があるのか」「関空2期工事に賛成の人もいる」などの各地域から出される意見を何度も話し合い、作成しました。また学習会はひとりでも多くの人に参加してもらえるようブロックごとにもち、討議資料などを活用しながら、ひとりひとりの疑問に丁寧に答え議論することを大事にしました。12月13日には署名目標である250万筆を実現していくために、「爆発集会」を開催、奈良女子大学の中山先生に「詰め込みや安上がりでない 保育・学童保育の拡充を」と言う内容で、国がねらう企業化のしくみをわかりやすくお話していただきました。目標にはおよびませんでしたが数年ぶりに、1,107,853名分の署名を大阪府2月議会に提出しました。 月 日のまとめの集会では100万を超える署名活動はやはり地域の要求運動と連動してすすめられたこと、署名活動を通して仲間づくりがされたことなどが確認されました。請願項目の8・9以外は継続審査となり、10の項目では教育のみが否決されました。(「請願項目」内容については別紙資料参照)。2002年度は、引き続き各会派への働きかけをすすめることとあわせて、来年の一斉地方選挙にむけてどのような運動をつくっていくのか、要求実現をめざす運動の方向を考えていくことが求められます。
▲TOP
B キャラバン
今年も大阪学童保育連絡協議会・大阪保育運動連絡会・自治労連保育部会・福祉保育労の4団体で取り組み、府下各市町村を訪問し懇談しました。保育では・2004年4月月までに待機児を解消する具体的なプラン(企業参入についての考え方、公立保育所の民営化について)・2002年度の施策拡充の計画について、学童保育では・学童保育条例の制定について・2002年度4月より実施される学校完全五日制において学童保育での対応について
・市町村合併について、以上の内容で懇談しました。待機児童解消については、ほとんどの市町村が弾力化で対応していく傾向があり保育所建設などの抜本的な方針は「今後、子どもが増える見通しがない」また財政難を理由に持ち得ていませんでした。また、企業参入については問題があるものの財政難、コスト問題で公立保育所の民営化を検討している状況が明らかになりました。学校完全五日制に伴い学童保育の土曜開設については現段階で開設している市町村は開設の方向で、開設時間や指導員の勤務時間などの調整などを検討していました。現在土曜日は閉室している地域では土曜日開設は否定しないが、開設に向けた方針は明らかにしませんでした。特徴的な点としては「土曜日の参加率」です。ほとんどの担当課が「参加が少ないんですわ」と漏らしていました。すべての市町村で土曜日開設をすすめていくには、ひとりでも必要な子どもがいれば開設することは当然であるという根拠と世論形成が求められます。市町村合併については具体的な動きについては保育・学童保育の担当課は把握していないというのが現状でした。
▲TOP
(3) 大阪市をはじめ各市町村への運動
@ 大阪市
大阪市の子ども施策はは学童保育関係者が大阪市民とともに取り組んだ「学童保育条例」を求める直接請求署名以後、大きな転換を図ってきています。
全児童対策事業である「いきいき活動」は学童保育の法の主旨を含んでいるとの立場を取り続けてきた大阪市でしたが、国はそれを認めませんでした。そこで大阪市は国と何度も協議を重ね、国は「全児童を対象とする事業に対する放課後児童健全育成事業の国庫補助の取り扱いの基本的な考え方」(以下「基本的な考え方」)を打ち出し、8項目の条件をクリアーできた場合、全児童対策事業であっても学童保育の国庫補助を支弁するものとしました。呼応する形で大阪市も「児童いきいき放課後事業内留守家庭児童健全育成事業実施運営規定」(以下「運営規定」)を設け、「基本的な考え方」の受け皿としました。
こうして学童保育の機能を持つ「いきいきクラブ」を兼ね備えているものとして2000年度は13校、2001年度には16校の「いきいき活動」が交付決定され国庫補助が支弁されました。
しかし、国が示した「基本的な考え方」に基づいて専用室が設けられたり、専任の指導員が配置されたり、あるいは定員が設けられて活動している「いきいきクラブ」はありません。実態は従来通りの「いきいき活動」のままで、「いきいきクラブ」に留守家庭児童対象の固有な事業内容が組まれているわけではなく、「いきいきクラブ」は、全くの〈看板〉でしかありません。
学童保育としての実態がないにもかかわらず、「基本的な考え方」や「運営規定」の文書によって、国庫補助が支弁される「いきいきクラブ」が今後増えれば、確実に全児童対策事業に学童保育が解消されていく流れを全国的に生みだしていく事態を引き起こすでしょう。
全児童対策事業への学童保育解消に歯止めをかけるためにも、2000年13校、2001年16校の実態なき「いきいきクラブ」の批判告白を強めなければなりません。
同時に「いきいきクラブ」が「基本的考え方」や「運営規定」に基づいて学童保育の固有な機能をしっかりと堅持した運営がなされるよう市民的大運動が強く求められています。
▲TOP
A 五日制をめぐる土曜日開設の運動
学童保育は放課後児童健全育成事業実施要綱において「法(児童福祉法)第六条の二第六項の規定に基づき、保護者が労働等によりおおむね10歳未満の児童に対し、授業の終了後に児童厚生施設等を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図るものである」と趣旨を謳っています。また、2002年度より国は不十分な予算内容ですが、「土曜祝日開設加算」も創設しました(資料参照)。学童保育は保護者が労働等で昼間家庭にいない子どものための事業です。夏休みや冬休みの長期休業日は朝からの開設を多くの市町村で実施しています。これは土曜日についても同様です。学校五日制の趣旨を踏まえた事業と学童保育の土曜日を開設の両方が必要です。しかし、いくつかの地域で開設、充実にむかうのではなく、反対に土曜日閉室を決めた市町村があります。
交野市は第2・第4土曜日を開設していたものの、開設時間は全土曜日12時から6時なので、朝からの開設を要望していました。しかし教育委員会は土曜日の完全閉室の意向を出し、交野学保協と指導員労組はこうした動きに機敏に対応し、連名で土曜日開設を求める要望書を提出しました。また、(学保協の役員もメンバーに加わっている)学童保育の閉室についても審議される児童健全育成運営委員会の審議委員への働きかけをはがき・FAX作戦などで一人一人の父母の声を教育委員会に届ける運動をねばり強く続け、何度も教育委員会と協議をかさねた結果、2002年度については中学校区に1学童を午前中から開設されることになりました。指導員についてはアルバイトではなく正規(非常勤)の指導員を配置。しかし、学校完全五日制の趣旨から月一回の土曜日については閉室です。課題は残しましたが、開設時間や指導員配置など運動の成果です。また、「子どもたちの参加が増えれば今の現状のままではない」ということも確認し入会要綱にも明記させることができました。
茨木市は第2・4土曜日は午前9時〜午後5時、第1・3土曜日は下校時〜5時までの開設でしたが、12月10日に青少年課は一方的に「土曜閉室の方針」を通告してきました。学保協と指導員労組は協力し、「なんとしても土曜開設の継続を」と数回にわたり市役所前や駅前などで署名宣伝活動を展開、教育委員会へは要望はがき作戦、市議会議員、校長先生、PTA会長への働きかけなどにとりくみました。年明けからも早朝ビラまきや市役所横の市民会館で大決起集会を行い、土曜開設への切実な願いを大きく市民に訴えました。しかし、教育長は「目も耳もふさいで土曜日閉室する」という強硬な態度は崩さず、1月24日の教育委員会会議で十分審議されることなく土曜日の閉室が決まりました。
学保協は「子どもたちを放置させるわけにはいかない」と、何度も論議をかさね自主保育を実施していくことを決めました(別紙資料参照)。茨木市は自主保育に対し施設の提供と補助金の支給を決めましたが、これはやはり土曜開設を求める大運動の成果として位置づけ、2002年度は自主保育を成功させ、引き続き市に対して働きかけていくことが課題です。
寝屋川市は全土曜日12時から開設していましたが、12月20日に突然学保協に懇談の申し入れがあり、土曜日完全閉室を表明、年明けには教育委員会は「平成14年度の入会申請書」を配布し、その案内には土曜日は休会日となっていました。学保協は教育委員会に対し、抗議するとともに教育長とも交渉しましたが、教育長は「教育の在り方を見直す時期にきている。子どもたちには自分で生活をつくれるよう自立が必要である」という全く時代錯誤的な考え方を示しました。学保協は個人・団体署名にとりくむとともに自主保育の準備も平行して進めました。そして「子どもは放置できない」と自主保育で土曜開設を実施しました。指導員とともに土曜日開設をめざし運動をすすめていくことが求められています。
枚方市は第1・3土曜日を11時より開設していましたが、(第2・4は閉室)学童保育は完全閉室をして土曜日は全児童を対象にした事業の実施を決めました。留守家庭の子どもたちも参加すればよいという考え方です。引き続きねばり強く運動をつづけていくことが重要です。
▲TOP
B 各地域の運動
●羽曳野市では指導員要領の継続雇用項目に「9回を限度」という回数制限が明記されており、今年度10人の指導員がこの「10年雇用止め」施行の年にあたり継続雇用が危ぶまれました。父母たちは学保協の方針をうけて、毎日のように担当課へ抗議電話をかけ、指導員の継続雇用を訴えました。指導労組も折衝をかさね最終的には再度試験を受け、希望者全員継続して雇用されることになりました。賃金についてはスライドさせることができましたが、有給休暇が1年目の指導員と同じ10日となってしまいました。2002年度は学童保育の有料化の動きがある中、指導員の労働条件の改善と併せて保育時間や開設日など施策の充実にむけて運動を展開していくことが重要です。
●河内長野市は定員が40人を超えた場合、複数学級が実現しています。しかし学童保育室の確保が緊急な課題となっています。三日市学童では2000年度よりAクラスは学校の余裕教室、Bクラスは学校外で市役所出張所の窓口センター2階を父母に対する充分な説明や理解もないまま学童保育室としてスタートしました。運動場もなく、専用トイレもない子どもたちにとってはひどい状態のところでした。父母たちは黙っていては何も変わらない、声をあげようと父母の会以外に学童問題対策委員会を設立し運動をすすめました。全父母が署名に取り組み、職場はもちろん町会やこども会に訴え、5000人に迫る署名を集め全会派と対話し、青少年課と交渉を持ち、具体的な解決策を迫りました。そうした運動の中で夏休みの間の学校空き教室の利用が実現しました。そして市議会でも取り上げられついに2002年度より学校余裕教室での実施が実現しました。河内長野市は2001年度より「放課後児童会」条例に基づく新制度でスタートする予定でした。学保協や指導員たちの有料化が目的で内容が充実しないような条例には納得いかないと運動をすすめる中で現在、条例化については先送りになっています。市としては施設問題などの改善と併せて今後条例化にむけてすすめていくことが予想されます。条例制定は学童保育事業を確立していく重要な意義がをもつものですが、四年生以上の受け入れ、土曜日開設、時間延長など施策の拡充につなげた条例制定実現をめざした運動を展開していくことが求められます。
●池田市は今年、「学童保育の充実を求める陳情書」が全会派一致で採択されました。内容は1、国の補助金を積極的に活用し、施設・設備の充実を図ってください。2、学童保育にかかわらず、余裕教室の転用を進めてください。3、四年生以上も弾力的になかよし会(学童保育)に受け入れてください。4、指導員の職務内容を明らかにし、文章化してください。の4点です。父母たちは陳情項目について理解を得るため各会派との懇談をていねいに行いました。池田市は学童保育指導員を「有償ボランティア」としていますが指導員の職務内容を文章化していくのは、子どもたちの成長発達にかかわる大事な仕事であるという位置づけの第一歩として、大変重要です。
●箕面市は有料化を伴う条例が昨年12月議会で審議されようとしていました。それまで「箕面市保健医療福祉総合審議会 児童福祉部会」で審議され答申も出されました。学保協は「有意義な学童保育の条例を制定して頂くための要望書」を市議会議長に提出し働きかけました。箕面市は「あそび場開放事業」と「学童保育事業」が一体運営されていることから学童保育事業を明確にし、学童保育の理念や目的を示してほしい要望項目の第1にあげました。父母たちのこのような願いと運動によって4月より施行された条例では「箕面市学童保育に関する条例」と明記されています。今後の箕面市の学童保育拡充にむけた運動へとつなげていかなければなりません。
▲TOP
2 指導員の地位向上と社会的処遇の改善
@学童保育指導員専門性研究会
2000年7月に発足した学童保育指導員専門性研究会の2年目の研究活動は実践研究会・業務調査研究会・研修プログラム研究会の3つの研究会活動を軸にすすめられました。
2001年度実施された実践研究会は、奈良(12月16日)・京都(2月3日)・兵庫(4月14日)、広島(4月21日)の4会場で開催しました。実践研究会は研究者と指導員が、学童保育実践を集団的に検討し、実践とは何かを問い、指導員の指導性を探求する研究者と指導員の共同研究の場です。これまで関西を中心に開催されてきましたが、7月の北海道での実践研究会を皮切りに今後、横浜や石川など全国的に広げていきます。
業務調査研究会では、10ヵ月に及ぶ事前調査会に基づいて作成された調査アンケートを無作為で抽出した近畿2府4県の学童保育指導員に配送し、調査結果をまとめました。日常の学童保育実践で起こりがちな「判断に迷う場面」の設問をいくつか用意し、その回答を集計し分析、そこから指導員の専門性に迫っています。
研修プログラム研究会は、いくつかの地域の研修実態をだしあい検討しました。今後、研究会として、学童保育指導員にふさわしい研修体系を提案していきます。
また年1回発行の研究誌『学童保育研究』は、全国で初めての学童保育と指導員に関する専門的研究書として高い評価とともに広く関心を集めています。第1号では『放課後空間』を、第2号では『あそびと生活』を特集、いずれも「子どもの発達」を軸に編集されています。
関西を中心に発足した学童保育指導員専門性研究会ですが、研究会の目的や活動内容を大きく前進させていくためには早急に全国的な研究会へと発展させなければなりません。
▲TOP
A学童保育実践研究会
1979年の国際児童年を記念して発足した大阪保育研究所は研究部門の一つに学童保育実践研究会を立ち上げ、大阪学保協は研究所とともに学童保育研究会に取り組んできました。研究者と学童保育指導員が実践を共同で検討分析し合う研究会の内容は、専門性研究会の実践研究会の先取りです。
20年以上の歴史をもつ学童保育実践研究会は、研究会の成果として「燃える放課後」(歩み出版)・「仲間のなかでひかるとき」(白畠美智子著・労働旬報社)の出版に結実、最近では「あそびなかまの教育力」(札内敏朗著・ひとなる書房)を創り出す力となりました。またこの4年間は研究のまとめとして「高めよう学童保育指導実践」をシリーズ化し毎年発刊してきました。
2001年度の学童保育研究会は、大阪市の杉山裕美子さん・栗比暁代さん、貝塚市の三上摂さん、守口市の文字やよいさん、京都市の龍野麗子さんの5人の指導員の実践報告をもとに検討されました。また研究会には久田敏彦(大阪教育大学)・船越勝(和歌山大学)福田敦志(大阪樟蔭女子大学)・杉山隆一(大阪保育研究所)・二宮衆一(京都大学大学院)の研究者の方々が参加されました。
▲TOP
B各講座
実践研究講座と発達講座は2年目を迎えました。
発達講座はモーリス・ドベスの「教育の段階」の読み合わせを基本に子どもの発達を学ぶ講座です。学童保育指導員にとって古典をゆっくり時間をかけて読み学ぶという機会はあまりありません。受講者からの感想も「たいへんよかった」と寄せられています。
実践研究講座は実践をつくることにこだわり各分野から講師を招き、年12回学びました。自らの実践に引き寄せて主体的に受講すれば大変力になる講座です。
養成講座は今年は18人の参加でスタートしました。講義の後の班討論では地域の実状など交流され、受講者の視野が広がったようでした。特に今年は新人の指導員とベテランの指導員がともに学び合う班編制ができたことが成果です。年30回、継続的に学ぶことの意義は大変大きいものですが、実践研究講座と併せて各地域からひとりでも多くの指導員が参加できるよう、回数や時間帯、開催地などに工夫することがもとめられています。
▲TOP
3 調査・学習活動
@ 第第33回大阪学童保育研究集会
2001年6月24日、大阪高校で開催しました。守口市佐太小学童の父母と子どもたちによる「エイサー太鼓」で幕が上がりました。記念講演は東京都立大学の坂元忠芳さんを迎え「変貌する子どもからのメッセージ」と子どもたちの現状をお話していただきました。また、特別報告として大阪市の父母より「直接請求署名に取り組んだ」想いや活動内容が紹介されました。午後の講座も大変好評で一つしか参加できないのがもったいないと言う感想があったくらいです。また、各分科会、父母の会シンポも好評でした。しかし、全体の参加人数が目標の1000人からは大きく下回り622人となってしまったことが残念です。大阪研究集会が各地域の年度始めの大事な仲間づくりの第一歩となります。各地域でしっかり位置づけ、指導員と父母が協力して参加者を組織していくことが求められます。
▲TOP
A 第36回全国学童保育研究集会
開催地は でした。大阪からも 名参加しました。今年は指導員だけではなく父母も積極的に参加してもらおうと、各地域に働きかけました。地域でもカンパをつのったり、学保協で予算化するなどできるだけ負担が少なく気軽に参加出来る工夫をされていました。全国学童保育研究集会は広い視野と学童保育への確信とそして元気がでる集会です。行き帰りの新幹線での交流などで参加者が親しくなってかえってきました。今年はお隣の京都開催です全国集会成功めざして大阪学保協の責任が問われます。父母・指導員の参加を呼びかけていくことが課題です。
▲TOP
B 資料集第27集
今年は全国的には教科書の問題が新聞等でも取り扱われました。子どもたちが毎日学ぶ教科書がどのようになっていくのか、何が問題なのか、国は何を狙っているのかを歴史教育者協議会の小牧薫さんに執筆していただきました。大阪府の「新行財政計画」は以前大型開発優先、府政運営の破綻、そのツケは府民に押しつけるという問題点を明らかにしました。また各市町村で進行している市町村合併について住民サービスはよくなるのか分析していただきました。大阪の資料集は各自治体学童保育担当課からも注文が寄せられています。今後一層運動に役立つ内容づくりが求められますが、父母・指導員の中でしっかり普及し、掲載内容についても地域の意見を聞き検討していかなければなりません。
▲TOP
4 子育てを通して親も育つ父母の会活動
父母の会は学童保育の源泉でもあり、子育て仲間をつくる場でもあります。学童保育運動の発展にとって父母の会活動は重要な役割をもっています。しかし、ますます厳しくなる働く条件や生活困難など働き続けながら子育てしていくことが大変困難になっています。こうした状況の中「父母の会そのものが必要なのか」「行事は強制なのか」などの疑問も生まれています。
子育てが困難になっているからこそ、父母の会の仲間づくりが大事になってきているのではないでしょうか。父母の会活動はそれぞれの父母の会が創造的に自由に創っていく活動です。今年度も各ブロックごとの父母の会会長交流会を開き、各学童の創造的な活動のや取り組みを交流しました。ひとりひとりの父母の要求となるような父母の会づくりと地域学保協の組線強化と結合した取り組みが課題です。
5 (財)大阪保育運動センター・第2期建設運動とひるぜん自然の家
@第2期建設運動
現在、大阪学童保育連絡協議会の事務所がある(財)大阪保育運動センター(以下センター)は28年前の1973年に、保育や学童保育が中心とした事務所がほしい、もっと日常的に学習・交流したいとの願いから建設運動が取り組まれ現在2階の事務所・会議室が建設されました。
建設費用は3700万円でした。頭金1200万円をみんなのカンパで集め、残りは15年間かけて支払っていくことで建設された保育運動センターは、文字どおり大阪の保育・学童保育運動の財産になっています。このセンターは当時の革新府政(黒尚了一知事)のもとで大阪府知事認可による「児童の保育に関する相談事務」を目的の民法上の公益法人として出発しました。
センターを砦に子育ての相談活動、研修事業、保育教材や遊具の研究と様々な事業を生み出しています。
大阪保育運動連絡会、大阪市保育運動連絡会、大阪学童保育連格協議会、大阪保育間遠研究会、大阪保育研究所がそれぞれ事務所を置き、専従者を配置しながら運動、研究をつづけています。
創立25周年を契機に将来の発展計画の策定とともに当面事務所の拡張のための建設運動をとりくみました。9000万円の建設運動で到達は です。
一階ホールはフローリングの床張り。二階会議室ではできなかった民舞やリズム、劇づくりの研修・講座が多彩に取り組まれています。これまで外部の会議室を借用してこれらの研修・講座をすすめてきたのが、自前のホールで実施できるようになりました。
また近隣の保育所や学童保育からも歓迎されています。中央区のあゆみ保育園では、定例の「子育て教室」を一階のホールを使って開いており、地域の若いお母さんや子どもたちが頗を見せています。
▲TOP
Aひるぜん自然の家
大阪学保協20周年記念で建設したひるぜん自然の家も10年になります。総合福祉専門学校の学生や労働組合、教育、保育関係者の活用もひろがり定着しています。現地事務長福原先生の献身的な施設管理と活動から地元の福祉関係者の利用も広がっています。
また毎年、指導養成講座の「野外活動演習」はひるぜんで行い、指導員の学習の場としては、なくてはならない施設として位置づいています。
2002年春、大阪の保育・学童保育運動が生みだした大阪総合福祉専門学校を巣立った青年3人が蒜山に赴任、学童保育・養護学校、そしてひるぜん自然の家の管理者としてそれぞれが新しい職業の道を歩み始めています。
また2002年の軟からひるぜん自然の家の下水道工事が着工され、水洗化に伴って自然の家が改築されます。車いすの方にも利用されやすけ自然の家にとバリアフナーが検討されています。
今後さらにひるぜん自然の家の宣伝をすすめながら、幅広い人たちが自然の家を利用できるよう取り組みを強めていきます。
▲TOP
6 組織強化と事務局体制
@ 「日本の学童ほいく]誌
今年も5000部達成を目標としながら、年度始めに大きく普及しその後は手堅く4500部を定着させることを提起してきましたが、残念ながら4500をこえることはありませんでした。日本の学童保育誌の購読は各地域の組織強化につながり、大阪学保協財政保障のための大事な機関紙です。子育て不安が広がる中、読んでもらう工夫をしながら普及活動続けていきたいと思います。
A 機関紙「大阪の学童保育」
大阪府下各地に12000部の機関紙が配られています。地域の運動を励まし教訓や成果がみんなのものとなるよう大阪学保協役員で機関紙担当を決め、内容づくりをしていきます。
ひきつづき各地域の学童保育や父母の会へ出向き、実際で見聞きしながらひとりでも多くの人に楽しんで読んでもらい、運動にも役立つような紙面づくりを目指していくことが必要です。
▲TOP
B 会費改定
大阪学保協の組織を安定させ、運動を強化していくために学童保育運動に参加するすべての父母、指導員が担っていくシステムを確立するため2000年度より会費改定が行われました。
現在、吹田、岸和田、富田林、熊取、大阪市、茨木、松原、羽曳野、守口、門真、大東、 交野、大阪狭山が全面改定し、寝屋川が一部改定、河内長野、八尾、東大阪が父母の会ごとの加盟です。また指導員労組として参加している地域は吹田指導員労組、堺指導員労組です。今年度新しい地域として箕面と豊中指導員労組が加盟しました。引き続き地域で運動と組織強化を結合させながら積極的に会費改定を移行していくことが課題です。
7、他団体との連携
次の諸団体と共に今年度も要求実現の立場から運動を進めてきました。
《加盟団体》
・全国学童保育連絡協議会
・大阪保育運動連絡会
・進歩と革新をめざす大阪懇話会
・子どもと教育、文化を守る大阪府民会議
・大阪保育研究所
・府民要求実現連格会
▲TOP
|▲はじめに・目次|▲第1章|▼第3章|
|