第2章 2002年度活動と運動のまとめ
1.国・大阪府・市町村に対する政策と要求運動
(1)国にむけた運動
(2)大阪府への運動
@ 大阪府交渉
A 障害児学童の交流会と大阪府交渉
B キャラバン
(3)大阪市をはじめ各市町村の運動
@ 大阪市における学童保育運動の特徴
A 条例制定の動き
B 土曜日開設の動き
2.指導員の地位向上と社会処遇の改善
(1)学童保育指導員専門性研究会
(2)学童保育実践研究会
(3)各講座
(4)大阪自治労連学童保育指導員労組連絡会との懇談
3.調査・学習活動
(1)第34回大阪学童保育研究集会
(2)第37回全国学童保育研究集会
(3)資料集第28集
4.映画「ランドセルゆれて」製作運動のとりくみ
(1)5万枚を越えて普及
(4) オーディションに1000人の学童っ子が応募
5.子育てを通して親も育つ父母の会活動
6.大阪保育運動センター・第2期建設運動とひるぜん自然の家
(1)第2期建設運動
(2)ひるぜん自然の家
7.組織強化と事務局体制
(1)「日本の学童保育」誌
(2)機関紙「大阪の学童保育」
(3)会費改定
8.他団体との連携
1.国・大阪府・市町村に対する政策と要求運動
(1)国にむけた運動
2003年度の政府予算編成に向けて6月28日に厚生労働省と関係省庁、地方6団体、政党・国会議員に要請をしました。厚生労働省としては「閣議決定した15,000ヶ所については放課後児童健全育成事業の設置目標としてめざしている。全児童対策事業については八項目をもうけたので該当するよう助言するにとどまる」とし、3年間据え置かれている単価アップの要望についても「基準はないので、アップしていく根拠をもたない」ときびしい回答がつづきました。その後12月20日に発表された財務省原案の中で学童保育は補助単価を減額していることがわかりました。「国の人事院勧告が2、03%マイナス」となったことを理由としています。厚生労働省は初めて運営費の積算内訳を明らかにしました。その内容は指導員の人件費一人分は日々雇用の単純労務に服する者に対する「賃金」とし、もう一人分はその「賃金」にもならない「諸謝金」(協力者等に対する報酬、謝金とし、最低賃金法に基づく都道府県最低賃金―これ以下での雇用契約は無効)の全国平均をも下回る金額で計算していることがわかりました。現在の国の補助単価は1学童保育施設が年間300万円程度で運営できると(その半額の約150万円を国と自治体が補助し、残りは保護者負担)という考え方に基づいています。これは実態とは大きくかけ離れているため運営している保護者や自治体は負担が大きく指導員は劣悪な労働条件の下におかれています。施設改善に向けて少しでも底上げが必要なのに、補助金を減額するのは大きな問題です。12月5日には各政党、国会議員へ要請行動を行い、1月30日には厚生労働省との再度の交渉を行いました。このような状況の中、今年も保育と共同で全国署名にとりくみました。12月には「国と地方に係る経済財政運営と構造改革に関する基本方針」で幼保一元化推進、調理室設置義務の撤廃がうたわれ、幼保一元化を推進するために保育所運営費を一般財源化うちだされました。私たちは12月19日には保育所運営費の一般財源化の問題点について学習会(講師 二宮厚美氏)行い、2003年1月22・23日の署名提出・全国集会にも大阪から保育・学童保育でのべ100人以上参加しました。(提出数全国 ・内大阪 )
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(2)大阪府への運動
大阪府は「財政再建プログラム」にそって「財政難」と言いながら関西空港第2期工事や破綻したりんくうタウンへの財政投入はやめず府民の生活関連施策は軒並み切り捨てる「行革」を断行しています。このような大阪府に対して今年も保育4団体(大阪保育運動連絡会・大阪学童保育連絡協議会・大阪自治労連保育部会・福祉保育労大阪地本)で保育・学童保育の拡充と合わせて関空二期工事の凍結、そして大阪府議会の民主化を求める項目も加えて請願署名にとりくみました。
大阪府議会は請願人の意見陳述の場が保障されていないことや、ひとつひとつ請願項目にしっかり議員が議論する時間が確保されていないこと、採択について会派の態度が公表されないなど、議員ひとりひとりが必要であると判断すれば財源を伴わず改正することができます。今年は一斉地方選挙をひかえしっかり広域行政としての大阪府の役割や責任を単位の父母の会や労働組合で学習・論議してもらうことをねらいとし団体署名にとりくみました。
また地域から地元選出の府会議員へひとりひとりの父母がジャンボハガキで懇談を申し入れることも提起しました。スタート集会はで「どんな大阪にするのか、決めるのは私たち!」と長野県浅川ダム建設反対運動に長年取り組んでこられた山岸堅磐氏を招いて田中知事再選のエピソードやあきらめず要求し運動していくことの大切さを学びました。また大阪府の行財政計画の具体的な内容について前田仁美(大阪府職労)から報告されました。
そして12月議会で1101団体の署名を提出しすべて継続審査となりましたが、2月議会で全項目否決されました。大阪府としては財源を伴わない「国に対して地方財政拡充と子育てのための予算増額を求めて下さい」という項目さえ否決したことは大阪府が子ども施策の確立についてまともに検討しなかったことをあらためて浮き彫りにしました。
私たちは会派に私たちの署名に対してどのような態度をとったのか聞き取りをし、報告ビラを作成して保育所門前、学童保育所父母の会で配布し、府民に知らせていきました。一斉地方選挙後4月から新議会となります。一層の要求実現を目指す運動を構築していくことが求められます。
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@ 大阪府交渉
7月23日大阪府交渉を行いました。今年、家庭支援課課長・子育て支援グループ課長補佐・子育て支援グループ支援総括主査の学童保育担当者が全てかわったということで、まず学童保育についてどのように考えているのか、「大阪府子ども総合プラン」については市町村で推進されるよう財政措置をおこなってほしいこと。また緊急の課題として学童保育を位置づけ設置目標数などを銘記する必要があるのではないかと主張しました。それに対して「行政として重要課題をみきわめ優先順位をさだめる必要があり、学童保育施策は整っていて、目標をかかげるほどではない。まだまだ手の届かないところがある」。との回答に認識の違いに参加者は驚きました。また「土曜日開設についても大阪府独自の予算は難しい」、「全児童対策事業については国が定めた8項目(全児童を対象とする放課後健全育成事業の国庫の取り扱いの基本的な考え方)を基準と考えてこれに基づいて書く市町村にはヒアリングで働きかけていきたい」。と毎年要望している学童保育条例もしくは実施要綱の作成についても「実施主体である市町村が地域の実情にあわせて行う事業であり大阪府が一律に定めることは考えていない」と、大阪府の責任を回避した、あくまで市町村の判断にゆだねているという回答に終止しました。今年度より実施された完全五日制にともない学童保育の土曜開設は緊急の課題であり、そのために自主保育をおこなった茨木市の実態や学童保育を希望する子どもたちが増えてきて大規模化する学童保育の問題、開設時間の延長を求める切実な声を各地域の父母・指導員が訴えました。大阪府は「とにかく財政難のなか、内部で大変きびしいコメントをもらうが、維持、継続につとめたい」との姿勢を崩すことはありませんでした。大阪府の行財政計画は福祉や教育を切り捨てる一方大規模プロジェクトは推進しています。私たちの府民にとって何が必要なのか広域行政としての大阪府の役割、責任は何なのか学習し運動をすすめていくことが大変重要です。
A 障害児学童の交流会と大阪府交渉
学童保育での障害児のうけいれが年々増えていますが、指導員体制が不十分であったり、研修もほとんどされていない、という実態です。しかし障害児の学年延長や指導員の研修や障害児への加配の充実は緊急であり強い要望です。今年度より、障害児を受け入れている指導員、父母が二ヶ月に一回あつまり、それぞれの地域の実態を交流しました。(内容は資料 )
また、今年度はじめて障害児の問題のみで大阪府との交渉をもつことができました。交渉に参加できなかった吹田市の父母からも手紙で「四年生以降もなんとしても学童保育でうけいれてほしい。子どもは本当に学童保育が好きで、学童保育の指導員と仲間にささえられ発達している」と、障害児にとっても学童保育は必要だという切実な声をとどけました。豊中市からは指導員は障害児の入所については入所する子どもの障害の状況も知らされず、しかし医療行為も求められることがあると市の無責任な受け入れの対応について報告しました。合わせて、大阪府が見直し検討している大阪府単独補助金である「障害児受入奨励金特別加算」についてぜひ継続をという緊急要望書も吹田市・茨木市・豊中市・寝屋川市・富田林市・東大阪市・藤井寺市・羽曳野市・岸和田市・河内長野市の10市よりその場で担当課に手渡しました。
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B キャラバン
今年も保育4団体で府内44市町村をすべて訪問しました。(10/7〜11/15)。各自治体は一環して「財政難」を主張しました。しかし、その財政難の上で保育所の待機児童解消計画と多様な保育サービスの確保をどのようにしていくのか国から迫られています。具体化としては弾力化の活用、民間保育所の増改築による定員枠の拡大、認可外保育園保育所の認可化などの対策はとっているが、抜本的な待機時解消にはならないと言う内容でした。また民営化については発表していない自治体でも検討課題としていることが明らかになりました。さらに公立保育所の老朽化を理由に改築に合わせて民営化を具体化しよういう自治体もありました。
企業参入については「企業にも門戸を開いている」「来年開園予定の保育所について当初企業も視野に入れていた」と述べる自治体もあり、企業参入については昨年より前向きに検討しだしているという状況です。学童保育については全児童対策事業「ふれあい活動」と学童保育を実施している門真市が一元化にむけて検討していることが明らかになりました。また門真市との合併を検討しているとなりの守口市でもキャラバン後すぐに「行財政改革推進計画」(平成12年〜16年)で学童保育を全児童対策事業「わいわい活動」へ一元化を発表しました。今年度土曜日を閉室した枚方市は、学童保育を閉めて留守家庭の子どもたちの実態をつかむこともしないまま引き続き「ふれ愛スクエア」を充実していくとこたえました。土曜日開設については現在開設していない池田市が2004年度、阪南市では2〜3年うちに開設を予していると答えました。今年度自主保育をしながら運動をつつげていた茨木市は来年度については検討している年内には方向をだすというということでした。寝屋川市は「うちは自主保育に補助をだしているし施設も提供している。だから土曜日については閉室のままでいいままでいい」という堅くなな態度を崩しませんでした。すことはありませでした。条例が決まった河内長野市では5時から5時30分の時間延長はされたものの、土曜日は閉室のままです。キャラバンでは父母たちの要求運動が反映されているようで今後の検討課題であるようなニュアンスでした。同じく有料化、条例化が検討されている羽曳野市は有料かありきの内容で施策の拡充についてなんら触れられませんでした。泉佐野市では指導員の身分を非常勤からパートへと検討中であるという前向きな回答もありました。また箕面市では「遊び場開放事業」と条例化された「学童保育」をそれぞれ独自事業として充実させていくという課題はあるものの、今年度学校休業日の開設時間の延長と土曜日開設を実施したのは「親たちの要望です」という担当課の回答にやはり学保連として組織的に要求を束ねて運動してきた成果です。
このキャラパンで保育所の大阪府単独事業である「障害児保育加算(3億5千万円)の見直しが検討されていることと、学童保育についても同じく単独補助金である「障害児受入奨励特別加算」と10から19人ランクについて見直しが検討されていることがわかりました。キャラバン後、大阪府知事にたいして「保育・学童保育における障害児対策補助金の見直しに関する緊急要望書」(資料 )を提出しました。守口市、吹田市や羽曳野市でも検討されている全児童対策事業に対してどのように運動をすめていくのか、神戸大学の二宮先生を講師に招き「全児童対策事業と学童保育について」学習と交流会を行いました。
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(3)大阪市をはじめ各市町村の運動
@ 大阪市における学童保育運動の特徴
A 困難を跳ね返す共同学童保育
大阪市の学童保育は、1992年に開始した「いきいき活動」との違いを明確にしながら、実践と運動を続けてきました。しかし、利用料は無料、学校施設を活用した活動、指導者は元校長や教頭など、いきいき活動を利用(登録)する子どもは増え続け、一方の学童保育への入所児童は年々減少傾向にあります。過去5年間の入所状況を見ると、今年度(2003年4月現在)の学童保育児童数は、5年前の(
)%となっています。また、学童保育の規模も小規模化し、全体の3分の2の施設が10人ランクの学童保育となっています。
しかし、大阪市の学童保育運動は厳しい学童保育の運営状況にさいなまれながらも、「あきらめず、なげださず、逃げない」学童保育実践や運動に取り組み、困難が増すほどに強められてきたのではないでしょうか。「いきいき活動」とは違った学童保育づくりを指導員と父母が共同して創り続けています。
差別的な大阪市の放課後施策によって、困難な運営状況を余儀なくされている学童保育ですが、父母と指導員が共同した豊かな学童保育づくりによって、厳しさを跳ね返す取り組みを各地で粘り強く展開してきました。
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B 大阪市の新たな施策
1992年にスタートした全児童対策事業「いきいき活動」は、名目上は「すべての子どもを対象とした健全育成事業」ですが、「学童保育つぶし」を企図した施策であることは明瞭です。大阪市は、「いきいき活動」があたかも学童保育の内容も含んだ事業であるかのように主張し続けました。しかし、大阪市の学童保育運動は、「いきいき活動」という名の全児童対策事業では学童保育の独自性や固有性は守れないと反論、大阪市交渉や、厚生労働省との折衝などによって、全児童対策事業と学童保育の違いを鮮明にしながら、学童保育の役割と機能を具体的に市民に知らせてきました。
厚生労働省も全児童対策事業と学童保育の違いを言明、その後、専用室の確保や専任指導員の配置、定員など8つの条件をクリヤーすれば全児童対策事業へも学童保育の国庫補助を支弁する(「全児童を対象とする事業に対する放課後児童健全育成事業の国庫補助の取扱の基本的な考え方(以下『基本的な考え方』と略)」)としました。これによって全児童対策事業「いきいき活動」への学童保育の一元化という大阪市のもくろみは破綻しました。そこで大阪市は、国の『基本的な考え方』に呼応する形で「児童いきいき放課後事業内留守家庭児童健全育成事業実施運営規定」(以下『運営規定』と略)を策定し、2000年度より「いきいき活動」の中に「いきいきクラブ」(公設民営の学童保育)スタートさせました。
現在、制度上で見る限りにおいては大阪市には民設民営の学童保育(いわゆる私たちが取り組んできた共同学童保育)と公設民営の学童保育(いきいきクラブ)のふたつの学童保育が実施運営されていることになります。
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C 大阪市における学童保育運動の新しい方向
しかし、「いきいきクラブ」は30数年間蓄積し創り出されてきた共同学童保育の内容からは、ほど遠いものとなっています。「いきいきクラブ」との名称は掲げながらも実態は国の「基本的な考え方」からも、大阪市が自ら作成した「運営規定」からも大きく逸脱し、学童保育としての機能は全く有していません。表面上は学童保育を実施しているかのように装いながら、実態については従来からの「留守家庭児童も含んだいきいき活動」と何ら変わりなく、こうした状況が続き実態なき「いきいきクラブ」が増加すれば、学童保育固有の役割や機能が解消させられ、間違いなく全児童対策事業の中に学童保育が一元化されていくでしょう。
全児童対策事業へ学童保育の役割・機能を解消させないためにも、最も重要な課題は大阪市が始めた「いきいきクラブ」を公設民営の学童保育として早急に実態化していくことです。そのためには、少なくとも国の「基本的な考え方」と大阪市の「運営規定」を遵守した「いきいきクラブ」を実施させることです。留守家庭児童の「あそびと生活」の場として専用室を確保し、継続した専任の指導員を配置するなど、「基本的な考え方」と「運営規定」に列挙されたひとつひとつの項目に即した活動内容を「いきいきクラブ」に内実化していく運動が求められます。
さらに「いきいきクラブ」が学童保育としての役割・機能を発揮するには、現在の共同学童保育の内容がいっそう高まることが不可欠な課題となります。共同学童保育が長年にわたって創り出してきた「財産」が市民にしっかりと知らされ、学童保育のイメージが「いきいきクラブ」へも浸透できるようにしなければなりません。
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A 条例制定の動き
河内長野市では三日市学童保育の場所問題などが運動の成果で解決し昨年より検討されていた学童保育の条例が制定されました。内容については、保育時間などの一定の改善( 時から 時)はあったものの、父母たちの切実な要求である、土曜日の開設と障害児の学年延長は実現しませんでした。また、委託化に道開く内容になっていることも問題です。羽曳野市でも条例化されましたが、施策の内容は変わらず、徴収金については学童保育に還元されないという納得しがたい条例です。ひきつづき指導員の労働条件の改善と併せて保育時間や開設日数など施策の充実にむけて運動を強化していくことが求められます。
B 土曜日開設の動き
昨年、教育長が「目も耳もふさいで学童保育の土曜日を閉室する」と強行した茨木市ですが、父母と指導員が協力して2003年度は市の責任で土曜開設を実現させていくとこを運動の柱とし一年間土曜日の自主保育を、やりきりました。そして同じ教育長が「学童保育について教育の視点はあったが福祉の視点がなかった」と言い、秋には市長と教育長との懇談も実現して「2003年度については検討したい」という発言をひきだしました。結果、父母と指導員の団結した運動が実結び茨木市の土曜日閉室は一年で終わりとなりました。市に対して一年後に改善させたというのは大変大きな成果です。しかし茨木市は土曜日を利用するものには別途使用料を徴収するとしました。これはやはり働く父母・子どもたちの施策である学童保育の役割を理解していないということではないでしょうか。土曜日開設を実現させた父母、指導員の運動に確信をもちひきつづき運動していくことがもとめられます。
・ 吹田市でも単位の父母の会で土曜日の利用アンケートや長期休みの開設時間要求アンケートなどにとりくみながら自主保育がされつつあります。
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2.指導員の地位向上と社会処遇の改善
(1)学童保育指導員専門性研究会
学童保育で働く指導員の身分労働条件はまだまだ劣悪です。指導員の処遇改善のためにも指導員の専門性を明白にしていく課題は急務といえるでしょう。2000年に発足した全国的な研究団体「学童保育指導員専門性研究会」の役割と課題は、年々大きくなってきています。
研究会では業務調査研究会や研修プログラム研究会、実践研究会のこれまでの研究会に加えて新たに子どもの発達と遊び研究会が始まり、指導員の専門性を探求していく研究会活動が豊かに広がっています。また、全国的な研究会活動を展開するために、各都道府県の会員を中心とした支部づくりもスタートしました。
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(2)学童保育実践研究会
1979年の国際児童年を記念して発足した大阪保育研究所は研究部門の一つに学童保育実践研究会を立ち上げ、大阪学保協は研究所とともに学童保育研究会に取り組んできました。研究者と学童保育指導員が実践を共同で検討分析し合う研究会の内容は、専門性研究会の実践研究会の先取りです。
学童保育実践研究会は、研究者と実践者がひとつの実践事例を「年間を通じて集団的に分析し検討し合っていきます。学童保育実践研究会のもつ意義を杉山隆一さんは次のようにまとめられています。
「・・・思いの交流に終わるのではなく実践という具体的な事実に徹底的によりそって多面的に検討し、指導員の子どもの見方・指導の視点・指導の工夫などを浮かび上がらせ、かつ意味づけるために研究者の協力は不可欠でした。・・・研究者による問題提起や分析と指導員の意見をかみ合わせて研究活動を進めてきました。研究会では指導員の報告ででてこないが重要な事実が浮かび上がったり、指導の指導性が厳しく問い直されたりしました。そのなかで指導員としての成長も見られるようになり、実践検討が子どもの自立を促す実践の方向を明らかにするとともに指導員の仕事への意欲、それを通した成長を促しているのが研究会ではないかと思っています」
2002年度の学童保育研究会は、大阪市の堀智佐子さん、永岡信一さん、そして茨木市の谷口晶さんの3名の指導員の実践報告をもとに検討されました。また研究会には久田敏彦(大阪教育大学)・船越勝(和歌山大学)福田敦志(大阪樟蔭女子大学)・杉山隆一(大阪総合福祉専門学校)・二宮衆一(京都大学大学院)・中川崇(大阪保育研究所)の研究者の方々が参加されました。研究会での検討は『高めよう学童保育指導実践D』(大阪保育研究所)にまとめられています。
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(3)各講座
今年は前期と後期「学童保育指導員集中講座」を北摂教室・大阪市教室・泉州教室・北河内教室・中河内教室の5教室で午前中に行いました。(資料 )前期は子どもの見方やとらえ方、学童保育での生活づくりやあそびなど、学童保育指導員として基本的な内容を学習し後期は実技を中心に即実践に役立つ内容としました。地域での開催ということから気楽に参加でき、また豊富な講師陣でたいへん好評でした。
各教室の参加者の様子や学習内容が交流できるようにニュース「リュックサック」をつくり配布しました。しかし午前中は時間に制限があり、講義終了後の班交流が不十分で深めきれないという声もありました。また後期の持ち方については同じような集中講座が指導員たちの要求にあった研修内容が検討課題です。
発達講座は、モーリス・ドベスの名著『教育の段階』をテキストに秋葉英則先生と一緒に読み進めていくユニークな講座です。『教育の段階』の解説と合わせて、毎回の講座では秋葉先生か教育・時事問題がていねいに話され、参加者から大変好評な講座です。
(4)大阪自治労連学童保育指導員労組連絡会との懇談
月 日、今年度はじめて大阪学保協役員と指導員労組との懇談をしました。現在全国学童保育連絡協議会が作成している「学童保育最低基準について」の内容について意見交換しました。また、指導員労組連絡会として大阪府に対しての要望内容や、大阪全体の指導員のおかれている状況や問題点が報告されました。来年はぜひ秋の大運動の時期に懇談をもち、運動方向について深めていくことを申し合わせました。
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3.調査・学習活動
(1)第34回大阪学童保育研究集会
大阪市府下の民舞「花笠」からスタートした第34回大阪学童保育研究集会(6月23日大阪高校にて)は映画「ランドセルゆれて」の製作を成功させていくため、特別報告として中山監督を招き学童保育の映画にかける想いを語っていただき監督の人柄にも触れる事ができました。また茨木市の土曜日の自主保育が始まったばかりの時期で指導員労組として前向きに取り組んだ経過と状況を茨木市の指導員から報告されました。記念講演は「子育て世代に送る応援歌」と題し、日本福祉大学の近藤直子先生にご自身の一人息子を保育所・学童保育所に預け仕事と子育てを両立された経験をとても軽快に話してくださいました。
臨時保育の体制と保育内容は大阪の指導員たちが計画準備をし、親子で1日参加して有意義な研究集会、午後からの講座・分科会も と定着してきましたが、全体で に参加となり、各地域ごとに参加組織を強化していくことが求められます。
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(2)第37回全国学童保育研究集会
第37回全国学童保育研究集会は、京都が開催地でした。関西での全国集会ということで、大阪からもたくさんの参加者を組織しようと取り組んできました。
研究集会への参加は全体で 名、大阪からは目標を 名と掲げたにもかか
わらず 名にとどまりました。参加者数は目標に及ばなかったものの、集会内容は、全国の集会にふさわしい講座や分科会など、広い視野で学べる集会となりました。
全体集会での京都の子どもたちの文化行事は、合唱やけん玉、一輪車など学童保育で日常的に遊んでいる技が、会場いっぱいにダイナミックに披露され、参加者に感動の輪を広げました。
記念講演は大阪ではなじみ深い木津川計さんで、「 」と題して笑いの中に、文化とは、教育とは何かを深く考えさせられた素晴らしい講演でした。
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(3)資料集第28集
大阪学保協が毎年大阪府下の自治体から資料を収集し、その時どきの情勢を取り入れた資料集も28集目を数えました。大阪府下の学童保育の予算や実施状況、指導員の身分や配置基準、労働条件の実状などがていねいに調べられ、学習に、運動に活用しやすい絶好の資料として、毎号好評を得ている大阪学保協の定期刊行書です。
第28集は、大阪府下の学童保育の現状と課題が報告されています。全児童対策事業の問題や土曜日開設問題、指導員問題など、各市における学童保育をめぐる状況がリアルに報告されています。
2002年度4月から完全学校5日制とともに、新しい学習指導要領が実施されました。資料集では、完全学校5日制が本来の主旨から逸脱し子どもと教職員に新たな問題を引き起こしていること、国の教育政策としての新学習指導要領について明らかにしました。また軍事優先の国家体制づくりであり、憲法9条に違反する"有事法制"のもつ危険性も解明しました。
大阪の学童保育がわかる資料として、父母や指導員の中へ大胆に普及されることが求められています。
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4.映画「ランドセルゆれて」製作運動のとりくみ
(1)5万枚を越えて普及
第32回定期総会(2001年4月29日)で「21世紀を子どもの世紀にしていくために大阪の学童保育を映画化し、学童保育運動から新しい文化の創造に挑戦しよう」と特別報告をしました。以降、毎月一回をベースに実行委員会を開催し、地域でのとりくみの経験交流を中心に21回開催してきました。
地域では「何故、映画をつくるのか」「本当にできるのか」「そんな大きな目標はできない」等々の疑問・意見が出される中で、地域学保協や父母の会、指導員組合で「映画でより多くの人たちに学童保育そのものを理解してもらおう」「私たちは学童保育に何故預けて、働いているのだろうか」「厳しい労働条件のもとで何故、指導員を続けているのか」等々、一人一人の親、指導員が自ら問いかけながら映画づくりへの意義を討論してきました。こうした議論を繰り返しながら1枚1000円の製作協力券を粘り強く訴え、普及してきました。1口5万口・15万口を協力していただいた個人・団体は228にも広がり、製作協力券の普及は5万枚を越えました。
新聞・テレビ、地域ミニコミ紙なども含めてマスコミでも大きく取り上げられ、大阪のみならず全国にも発信し、学童保育がこれまで以上に広がりを示し、映画づくりそのものは私たちが予想した以上に社会的に影響力を与えました。
今年1月から府内9箇所で試写会を成功させ、映画を観た圧倒的多くの人たちに感動を呼び、改めて学童保育の今日的役割を訴える内容になっています。また、上映運動の取り組みを通じて学童保育運動に関わっていることの意味を実感できるものになっています。
すでに、自主上映運動がはじまっていますが、今後大阪の隅々で上映運動を広げ、成功させていくことが課題です。
推薦・選定は厚生労働省・文部科学省・大阪府・大阪府教育委員会となり、各自治体での後援も広がっています。現在、吹田市・茨木市・茨木市教育委員会・箕面市・箕面市教育委員会・箕面市社会協議会・和泉市・和泉市教育委員会・泉佐野市教育委員会・富田林市・富田林市教育委員会・河内長野市教育委員会・羽曳野市教育委員会・八尾市教育委員会・寝屋川市教育委員会・交野市教育委員会です。さらに、社会保障審議会が児童福祉文化財として推薦を決定しました。
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(4) オーディションに1000人の学童っ子が応募
6月22日第34回大阪学童保育研究集会で子どもたちのオーディションの応募を発表し、期間が1週間あまりしかありませんでしたが、学童保育ぐるみでの申し込みはじめ、はがき、ファックスなどで1000人を越える応募で殺到しました。子どもたちの「自分を表現したい」熱い思いが滲み出たオーディションでした。子役、エキストラに選ばれた子どもたちは夏休み40日間猛暑のなか早朝からのロケによくがんばりました。また、ロケ地になった吹田市豊津第1小学校校長及び教職員のみなさん、学童保育指導員、父母の会などたくさんのご協力でロケも無事終えることが出来ました。これまで大阪の学童保育運動が経験したことのない様々なことを経験しましたが、こうした体験は地域も含めて今後の学童保育運動を豊かにしていくに違いありません。
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5.子育てを通して親も育つ父母の会活動
父母の会とは父母同士が集まり、子育ての輪をつくり、親としても成長し、子どもたちのためによりよい学童保育をつくるために、みんなで力をあわせる場です。しかし、サービス残業やリストラ、失業など働く条件はますます厳しくなり、生活そのものが不安定になるような状況がうまれています。このような中で「父母の会は必要なのか」「行事は強制なのか」と疑問もうまれてきますが、このように子育てが困難になっているからこそ、父母の会の仲間づくりが大事になってきているのではないでしょうか。父母の会活動はそれぞれの父母の会が創造的に自由に造っていく活動です。ひとりひとり子育てが豊かに営まれるよう、ひとりひとりの父母の要求となるような父母の会づくりと地域学保協の組織強化と結合した取り組みが課題です。
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6.大阪保育運動センター・第2期建設運動とひるぜん自然の家
(1)第2期建設運動
現在、大阪学童保育連絡協議会の事務所がある(財)大阪保育運動センー(以下センター)は28年前の1973年に、保育や学童保育が中心とした事務所がほしい、もっと日常的に学習・交流したいとの願いから建設運動が取り組まれ現在の2階の事務所・会議室が建設されました。建設費用は3700万円でした。頭金1200万円をみんなのカンパで集め、残りは15年間かけて支払っていくことで建設された保育運動センターは、文字どおり大阪の保育・学童保育運動の財産になっています。このセンターは当時の革新府政(黒田了一知事)のもとで大阪府知事認可による「児童の保育に関する相談事務」を目的の民法上の公益法人として出発しました。
センターを砦に子育ての相談活動、研修事業、保育教材や遊具の研究と様々な事業を生み出しています。
大阪保育運動連絡会、大阪市保育運動連絡会、大阪学童保育連絡協議会、大阪市学童保育連絡協議会、大阪保育問題研究会、大阪保育研究所がそれぞれ事務所を置き、専従者を配置しながら運動、研究をつづけています。
創立25周年を契機に将来の発展計画の策定とともに当面事務所の拡張のための建設運動をとりくみました。9000万円の建設運動で到達は です。
一階ホールはフローリングの床張り。二階会議室ではできなかった民舞やリズム、劇づくりの研修・講座が多彩に取り組まれています。これまで外部の会議室を借用してこれらの研修・講座をすすめてきたのが、自前のホールで実施できるようになりました。
また近隣の保育所や学童保育からも歓迎されています。中央区のあゆみ保育園では、定例の「子育て教室」を一階のホールを使って開いており、地域の若いお母さんや子どもたちが顔を見せています。
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(2)ひるぜん自然の家
大阪学保協20周年記念で建設したひるぜん自然の家も11年になります。大阪総合福祉専門学校の学生や労働組合、教育、保育関係者の活用もひろがり定着しています。現地事務長福原先生の献身的な施設管理と活動から地元の福祉関係者の利用も広がっています。
また毎年、指導養成講座の「野外活動演習」はひるぜんで行い、指導員の学習の場としては、なくてはならない施設として位置づいています。
さらに2002年度には、障害者(児)にも利用しやすい施設にと、バリヤフリーをいかした改修工事を行いました。また、利用者からの強い要望だった、トイレの水洗化も実現しました。
しかし、父母たちの入れ替わりから学童保育関係者へもっと知らせて行くことが必要になっています。自然の家第2期建設への発展をめざし、隣接した4000坪の土地の活用などみんなで夢をひろげながら21世紀へつないでいきたいと考えています。
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7.組織強化と事務局体制
(1)「日本の学童保育」誌
今年度「日本の学童保育」誌は5000部を目標としながら4000部をきるという危機的な状況がつづきました。毎月の大阪学保協運営委員会で「なんとか地域で増冊にむけての運動を位置づけてほしい」と提起しましたが、地域も「日本の学童保育」誌の必要性はわかっているし、このままではいけないということも感じているが、地域のそれぞれの課題におわれ、格的に普及拡大をやりきれなかったという状況でした。「日本の学童保育」誌の購読は各学童、各地域の組織強化につながり、大阪学保協財政保障の大事な機関紙です。今年は「日本の学童保育」の内容について議論しみんなに読んでもらう工夫をすることをねらいに2003年4月1日に、編集協力員を組織し、「ちょっとひらいてみいひん?」というニュースの発行することができました。来年度もひきつづき編集協力員を中心にニュースを発行し活用しながら地域が主体的に普及活動にとりくむことが課題です。
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(2)機関紙「大阪の学童保育」
B5版機関紙から、現在のタブロイド判に「大阪の学童保育」が移行して、 年目になります。大阪府下各地に12500部の「大阪の機関紙」を配布、地域の運動を励まし教訓や成果を共通の確信にできる機関紙をめざしてきました。
大阪学保協役員で機関紙担当を決め編集委員会を組織し、学童保育施設や父母会、そして会員を取材し紙面に生かしてきました。
地域や学童保育の動きを具体的に、視覚的に紙面に紹介し、大阪の学童保育運動の「要」として機関紙「大阪の学童保育」が大きな役割を果たすことが求められています。
また、2002年度は映画「ランドセルゆれて」の制作・上映運動と連動させて、映画の取り組み状況を迅速に紙面に反映させていきました。
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(3)会費改定
2000年度より大阪学保協は、個人会費を中心とした会費制から、父母会や指導員労働組合など団体会費を軸とした会費制に移行しました。会費改定の意義は、何よりも大阪学保協の組織の安定と、運動の強化にあります。そのためには学童保育に関わるすべての父母や指導員が、学童保育運動を担い、運動に参加するシステムの確立が求められ、そこで会費の改定が第31回定期総会で確認されたのでした。
現在 です。また、指導員労組として参加している地域は、 です。2003年度には新たに の地域が加盟しました。
大阪学保協の組織強化は、学童保育運動を高め学童保育要求を実現し、大阪府や各地方自治体の学童保育施策拡充にとって不可欠な課題です。
引き続き、大阪府下のすべての学童保育父母会が、指導員労働組合が、大阪学保協の団体会員として加盟するよう取り組みを強めなければなりません。
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8.他団体との連携
次の諸団体と共に今年度も要求実現の立場から運動を進めてきました。
《加盟団体》
・ 全国学童保育連絡協議会
・ 大阪保育運動連絡会
・ 進歩と革新をめざす大阪懇話会
・ 子どもと教育、文化を守る大阪府民会議
・ 大阪保育研究所
・ 府民要求実現連絡会
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