平和のためのアピール
大阪学童保育連絡協議会の役員会は、2022年3月8日、「平和のための緊急アピール」を発表しました。
4月29日、状況をふまえた修正を加え、定期総会で「平和のためのアピール」として採択しました。
子どもたちが安心してくらせる日常が
一日も早く戻ることを心から願います
冬の雪深い寒い日に、森を散歩していたおじいさんが手ぶくろを落としました。ねずみやかえるがその手ぶくろの中に住みだし、うさぎ・きつね・オオカミ・いのししが「ぼくもいれて」「わたしもいれて」と次々にやってきて、最後には大きなクマまでも「わしも、いれてくれ」と今にもはじけそうな手ぶくろでくらし始めます。そこにおじいさんが戻ってきて…。
これは、多くの学童っ子が親しんできた『てぶくろ』というお話です。様々な動物たちが小さな手ぶくろに、肩を寄せあってともに生きていくというこのお話は、今、戦禍せんか に見まわれているウクライナでつくられた民話です。異なる動物が寒い森の中で仲良く共生しあう物語ですが、ウクライナでは真逆の事態が進行しています。
2 月 24 日、ロシア軍の軍事侵攻により始まったウクライナでの「戦争」は、多くの市民を犠牲にし、「今世紀最大の人道危機」と呼ばれています。戦禍から逃れるようにして母国ウクライナを 離れる人たちは 500 万人を超え、今もなおその数は増え続けています。 さらに、国内での避難生活者は 700 万人以上で、その多くは子どもや高齢者、そして女性です。
私たちは今、この瞬間にもウクライナの子どもたちのいのちと安全が危機にさらされていることを心より憂慮ゆうりょします。「戦争」は子どもたちから笑顔と歓声、家族そして何よりも希望ある未来を奪い取ります。私たちは今こそ、子どもの権利条約第 6 条及び第 38 条が示した、子どものいのちと育ち、安全の権利を守るためにあらゆる行動を呼びかけます。
私たちは平和を願います。子どもたちのいのちと育ちを守る学童保育の役割は、平和な社会でこそ果たされます。
私たち学童保育関係者は、いかなる「戦争」にも反対します。
2022 年 4 月29 日
第53回大阪学童保育連絡協議会定期総会
◎子どもの権利条約
第 6 条[生命に対する権利及び生存・発達の確保]
第 38 条[武力紛争における子どもの保護]